着物の柄・季節ごとの決まりはあるの?
着物の柄はとても種類が多く艶やか。
どんな季節にどんな柄を着ればよいのか迷うことありますよね。
そこで今回は着物をいっそう素敵に着こなすための、季節ごとの柄の決まりについて見ていきましょう!
着物の柄は”先取り”が基本!
草花柄の着物の場合は「少し先取り」が基本です。
花の実際の季節よりも1ヶ月半〜1ヶ月ほど先取りして、花が咲く直前までに着るのが粋だとされています。
花が散る頃には次の季節のモチーフ柄を取り入れたものを着るとセンスのよさが引き立ちます!
季節ごとの定番モチーフ柄はこちら!
厳密な決まりごとではないのですが、やはりベストな着用シーズンは押さえておくべきでしょう。
以下で季節ごとによく着られている定番モチーフを何点かご紹介していきます。
春:咲き誇る花々を散りばめて
桜:春といえば桜の定番柄。日本を代表する花なので通年着られますが、
幹や枝が描かれている場合は春に留めておいた方が無難です。
藤:桜の次は藤が美しい季節。桜が満開を迎える4月頃から着始めると粋です。
牡丹:5月末〜6月頃に盛りを迎える牡丹。一輪だけでも存在感を放つ花を先取りして目立たせましょう!
夏:シンプルで涼しげなデザインに
撫子(なでしこ):撫子は浴衣にもよく描かれる柄で、「やまとなでしこ」にも表されるようにとても可憐で涼し気なお花です。
紫陽花(あじさい):梅雨の時期に咲き誇る紫陽花は色の種類も多く一輪でもとても艶やか。ブルーの色合いも美しく真夏前まで着ることができる柄です。
桔梗:秋のイメージがある桔梗ですが夏に先取りとして着られることも多い柄です。夏の終わり〜秋口にかけて10月頃までが着用のベストシーズン。
秋:紅葉を思わせる深い色で温かみと華やかさを
紅葉:秋の定番柄で9月以降の単衣の時期から着用OK。いろいろな草花と合わせて描かれている場合は一年を通して着用できます。
菊:これもまた日本を代表する花として多く描かれる定番の柄。同じく定番の桜と一緒に描かれることも多く、その場合は「春秋柄」と呼ばれいつのシーズンでも着用できます。
萩:秋の七草の一つ。涼し気な葉模様は桔梗と同じく夏用の着物に取り入られることも多いです。
冬:色合いの少ない時期だからこそあえて華やかに
松:「松竹梅」でおなじみの松。慶事や吉祥のシンボルとして日本人に長く愛されています。お正月期間はもちろんのこと冬の間はいつでも違和感なく着ることができます。
椿:鮮やかな色合いの椿は白梅や雪などの淡い色と合わせるととても美しい。早咲きや遅咲きといろいろな種類があるので、3月の初春頃まで長く着ることができます。
梅:香りまでも運んできそうな梅の柄は、年明けから花が咲く3月上旬頃までがベストです。
一年を通して着ることができる柄はこちら!
季節に関係なく着用できる柄や、組み合わせによって通年着られる花柄もあります。
次は季節を問わずに着れる定番柄をご紹介していきましょう。
?いろいろな季節の草花が一緒に描かれている柄(または架空の草花)
いろいろな季節の草花が一緒に描かれている柄は季節に関係なく、いつでも着用してかまいません。
架空(想像上)の草花や抽象化されたデザインのものも同じく、いつの季節でも大丈夫です。
桜の花だけの柄
先程も述べたように日本を代表する桜の花は、枝葉や幹などが描かれていない花のみの模様であれば季節を限定せずに着ることができます。
菊・紅葉の柄
菊も桜と同じく日本を象徴する馴染み深い花なので通年OKの柄です。
紅葉もいろいろな草花と一緒に描かれている場合は季節を問いません。
蝶の柄
蝶は春のイメージですが一年を通して着られる柄です。
歌舞伎や能装束にも昔からよく使われており、出世できるという縁起担ぎの柄ともされ季節に関係なく好まれてきました。
吉祥文様
縁起が良く不老長寿を願う「吉祥文様」は結婚式などのお祝い事に喜ばれる柄で、季節に関係なく通年着用できます。
有職文様(ゆうそくもんよう)
有職文様は中国唐朝の文様を日本化した伝統的で格調高い文様で、一年を通して着用OKです。
代表的なものとして立涌(たてわく)・丸文(まるもん)・菱文(ひしもん)・花菱(はなびし)・襷文(たすきもん)・七宝(しっぽう)などが挙げられます。
四季折々の美しさを表現した着物の柄
ここに挙げたのはほんの一例で着物にはまだまだたくさんの柄やデザインがあります。
豊かな自然に恵まれ四季折々の美しさを持つ日本だからこそ、
着物の柄ひとつひとつにこんなにも趣向が凝らしてあるのでしょう。
それを知っておくだけでも着物に対する知識やセンスがグッと深まり、選ぶのもその分楽しくなります。
基本を生かしてどんどんセンスを開花させていきましょう!
いずれ柄の種類だけでなく色やデザイン、
素材などでより季節をコーディネートできるようになるともっと素敵ですね!